2005年ころに大きく取り上げられたアスベスト。壁や天井だけではなく、屋根材にも使用されております。
屋根材にアスベストを使われ始めたのは大正時代。
アスベストを使う理由として粘り気が強く、耐久性が高いことや耐火性、防音性、断熱性にも優れており、軽くて安価であることが大きな利点だからです。
健康被害が大きく取り上げられアスベストが禁止されたのは13年前、2004年頃。
その頃は大変問題になり、屋根材メーカーもアスベストが含まれる屋根材の販売を中止としています。
今から15年以上前に家を建てたり、屋根の葺き替えなどでスレート屋根になっているお家はアスベストが含まれているかもしれません。
ですがアスベストが屋根材に含まれているから危険ということでもなく、屋根材のアスベストはセメントで密度が高い状態に固められているため、飛散することがありません。
建設労働災害防止協会のアスベスト部類においても、レベル1~3の中で最も低いレベル3とされています。
大きく問題になっているのは、屋根材を作っていた工場や、内装部分によく使われた吹付のアスベストで、アスベストが飛散しそれを吸い込んでしまうことで、肺気腫や肺ガンを発症したことがニュースで取り上げられました。
15年以上前のスレート屋根にお住まいのお家で、アスベストが含まれているから心配だと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、そのように心配することはありません。
気を付けるならばこれから先、セメント屋根を葺き変える時です。
吹き替える時にセメント屋根を取り外していくのですが、その工事の時に割れたり、切断したり、粉砕する場合にアスベストが飛散します。
作業員は専門の教育を受けた方になりますので、作業自体は問題ありません。
しかしながら特別な作業、特別な処理となりますので、アスベストが含まれる屋根材の費用は割高になってしまいます。
それをご理解いただいたうえで、屋根の葺き替えをしていただくようになります。
まとめとしましまして、健康被害があって問題になったアスベストですが、屋根材に使われているだけなら特に問題は無く、材質的には堅くて軽く丈夫な屋根材です。
撤去する場合は費用が高くかかってしまいます。
安く済ませたい場合は、板金などによるカバー工法で行うと、撤去や処理費がかかりませんので、その分安くすることが可能です。
これからも住まわれていく家を次の代へつなぎ、もっと長くもたせていこうとお考えの方であれば、葺き替えをお勧めします。
費用やどのくらい住まわれるかを考えながら検討されることが必要になります。